【コース】
九度山駅8:46~8:55真田庵~9:24慈尊院・丹生宮省符神社9:45~10:38展望台11:33~12:48六本杉峠~13:19丹生都比売神社~14:21二ツ鳥居~14:42古峠~16:08上古沢駅
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【山行レポート】
高野山への参詣道である町石道(ちょういしみち)は、九度山町の慈尊院から高野町の大門まで約22kmの信仰の道です。健脚な方は6時間半かけて歩けます。現在、土砂崩れがあり通行止めになっているので私たちは、その前半部分を歩きました。
道中には一町(約109m)ごとに卒塔婆(そとば)型の石柱が180基、置かれています。起点の慈尊院から「百八十町」「百七十九町」「百七十八町」と一町ずつ減っていくのを見て、ゴールの高野山金剛峯寺に近づいていくのが実感できます。21世紀の私たちは石柱を頼りに歩きますが、もともとは平安時代に空海が道標として木製の卒塔婆を建てました。それが鎌倉時代に石柱にリニューアルされます。風雪に耐え、現在は150基が残されています(※)。
南海九度山駅から歩き始め、慈尊院から境内つづきの丹生宮省符(にうかんしょうぶ)神社を抜けると山道になります。道には、柿畑があちこちにあります。展望台では眼下に紀の川が流れる市街地が見渡せます。少し時間が早かったですが、展望台あずまやで豚汁をこしらえランチタイムをとりました。
展望台からさらに南下し、六本杉峠に着くと西に折れ、町石道をいったん離れます。丹生都比売(にうつひめ)神社でトイレ休憩。この神社は紅葉が見ごろでした。そして南西方向に迂回し、八丁坂を登り二ツ鳥居に着くと再び町石道につながります。
二ツ鳥居の分岐で南方向は通行止めの表示があり、二ツ鳥居からは北上します。少し進むと「百三十八町」と彫られた石柱を発見。本日歩いたコースで最南端の石柱でした。つまり42町を歩いたことになりました。古峠からは東方向へ下ります。
上古沢の農家でたくさん富有柿を買うことができました。柿やミカンを楽しみながら歩いたので予定していた乗車時刻が大幅にずれ、16:28発の南海便で帰阪しました。なお、ゲストとして参加された女性が当会に入会されました。
【参加者】
会員10人、ゲスト
計11人
【感想】
●柿に始まり、柿に終わりました。昼の豚汁も美味しかった。道は平坦かと思いきや、滑りそうな道もあり、最後の駅への登りが地獄坂でした。楽しかったです。(B)
●九度山から歩き始めてすぐ道端で売っている柿が安い。 行く先々で、柿が安い、みかんが安いと買い漁り、そして豚汁が美味しかった例会でした。(S)
●高野山石道の道、本当に素晴らしい信仰の道を歩いて来ましたが、残ったのは九度山駅から直ぐに柿、そしてみかんを買いリックに詰め込み黙々と歩き、最後の皆がいっぱい買い求めた上古沢駅に着いた時はもう肩が痛くてもうこれ以上買えませんでした。楽しいコースでした。(Y)
●久しぶりの九度山からのコース、駅近くの道の駅を見つけてテンションが上がり真田三代のお寺に寄ったり、無人店でミカン、柿等購入したりしてリュックはパンパンになりました。ホンマに観光気分の山行だと思っていたら、午後からの行程は山の中を歩き、所々滑りそうな道も有り、帰って靴脱いだら両足の指皮が剥けてお風呂に入ったらヒリヒリでした。(K)
●久しぶりの山行、展望台では早めの昼食、美味しい豚汁を頂き途中の道では、ミカンや柿のお得な買い物でホコホコです。紅葉は満開では無かったけど皆さんとご一緒出来て楽しい山行でした。(A)
●世界遺産を歩く。テーマはさておき今回は柿の直売所巡りとなりました。生産農家さんといっしょにその場で皮を剥いてみんなで食べた柿が美味しかった。信仰の道を敬虔な心で歩くことよりも大切なことを得た気分になってしまう僕はまだまだ修行が足りないのでしょう。(M)
●リーダーとしてやはり下見をすべきだったと思う。 この道が世界遺産に登録される2004年以前に、九度山駅から大門まで1日で歩いたことは有るが、上古沢駅を使ったことがない。六本杉から町石を辿って古峠へ直接行けばこれ程難儀な道を歩くことは無かっただろう。丹生都比売神社から 二ツ鳥居迄の大変な八丁坂、上古沢の集落からすぐそこに見えている上古沢駅迄の想像を絶する急坂は、二度と使いたく無い駅だった。上古沢の柿農家で皆が喜んでくれたのが、せめてもの慰めだった。(L)
※参考文献:河本佳樹編『街道・古道を歩く旅 関西周辺』(山と渓谷社、2012年)